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検査のすすめ方・
結果説明の仕方

はじめに

東海地方、特に愛知県におけるHIV/AIDS患者報告数は2001年以降から増加傾向であり、全国でも上位の報告数であります。HIV感染症を疑う病態や状態であれば、HIV検査を進め、早期発見することにより、感染者も多大な利点を得ることができます。その反面、医療者側の知識不足や配慮不足などから、検査を受けたことが感染者にとってマイナス(医療不信や心理的に危機的な状態など)となることもあります。
医療機関の皆様が自信を持って検査を促し、感染者や患者さんが安心して検査が受けられるようご利用ください。

早期発見のコツ

HIV感染症には、診断の契機となりうる代表的な症状・所見があります。
臨床経過や既往歴・生活歴とあわせ、HIVスクリーニング検査を行う必要性についてご検討ください。
検査を行う際には受検者に説明を行い、同意(口頭だけではなく、紙面での同意書を得る方がベター)が必要ですのでご留意ください。

HIV早期発見、HIV検査を考慮すべき臨床症状に関する詳細は、下記リンクへ

検査のすすめ方、検査料金の概算

HIV検査は医療機関でも匿名・自費で受けることができます。検査の際には、必ず本人の同意が必要です。(未成年者でも同様です。ただし、検査実施の同意に関して、未成年者は保護者の同意を必要としませんが、親の健康保険証を使用することによって社会保険料の請求額が変わります。このことから、保険証を使用したことがわかる可能性があります)
また、医師がHIV検査を必要と判断した方においても、その必要性を説明し、検査を受けることのメリット、プライバシーは守られることなどを伝え、同意が得られた後に検査を行うようにしてください。

検査結果説明前の準備
結果が陽性の場合には、パンフレット、電話相談窓口の案内などの準備も大切です。
また、告知後に感染者が看護師や心理士等と、ゆっくりと話ができる環境を準備してください。
院内のスタッフでは対応が難しい場合には、当センターの派遣カウンセリング制度を利用する方法もありますので、ぜひご活用ください。

HIV派遣カウンセリング制度に関する詳細は、下記リンクへ

陽性の場合の結果説明のポイント

スクリーニング検査が陽性、
確認検査未実施の場合

  • あくまでもスクリーニング検査の結果であり、HIV感染が確定したわけではありません。抗体検査は偽陽性率が0%でないため(偽陽性率:ELISA法・PA法0.03-0.3%、IC法0.6-1.3%)、HIVに感染していなくても陽性の結果(偽陽性)となることもあります。必ず確認検査を勧めてください。

スクリーニング検査が陽性、
確認検査が陽性の場合

  • HIVに感染しているということをはっきりと伝えてください。
    ※「陽性」と言われても「感染している」と理解できない受検者もいますのでご注意ください。
  • HIV感染症は治療薬が進歩しており、効果的な治療法があることをお伝えください。
  • HIVの治療は、外来で開始するのが一般的です。また、体調等に問題がなければ、1~3ヶ月に1回程度の外来通院になること、仕事や学校を辞める必要はないこと、医療費の自己負担額を軽減できる制度があること等を情報提供し、「HIVだから仕事も辞めないとだめだ」「HIVだから就職できない」「HIVだから入院しないといけない」等といった間違った認識を持たないよう、また、医療者が力になることを説明し、感染者の不安軽減に努めてください。
陰性の場合の結果説明の仕方

スクリーニング検査が陰性、
確認検査未実施の場合

  • HIVに感染していない、またはウインドウ期に検査を実施したため結果が正しく判定できない場合です。ウインドウ期の症状(インフルエンザ様)が出現している場合は、確認検査を実施することを勧めてください。また、感染の可能性がある行為から3か月以上経過していないで検査を受けている場合は、一定の期間をおいて、再びスクリーニング検査をすることを勧めてください。

スクリーニング検査が陰性、
確認検査陰性の場合

  • HIVに感染していないことをお伝えください。また、感染を予防するためには、コンドームを使用することが大切であることを伝えてください。

HIV検査結果説明の仕方について詳細は、下記リンクへ