外科の概要

当科は消化器外科(上部消化管、下部消化管、肝胆膵)と一般外科の担当です。それぞれの消化器外科専門医が中心となって専門チームを形成しています。当院はがん診療拠点病院であるとともに全国がん(成人病)協議会に所属しており、標準的ながん手術治療を多く行っています。さらに臨床研究センターと協力し、新しい治療の開発のために多くの臨床試験や治験に携わっています。肝胆膵外科領域に関しては、日本肝胆膵外科学会の高度技術認定施設として認定されています。主な年間手術件数はおおむね、胃がん50例、大腸がん100例、肝胆膵領域がん 70例、胆石 120例、虫垂炎40-50例、ヘルニア130例です。また救急病院として腹膜炎、腸管穿孔、腸閉塞、外傷などを対象として、約100例以上の緊急手術を行っています。がんの術後には早期に退院できるように在宅医療やがんリハビリ、栄養指導も積極的に導入し、また術後の抗がん剤治療も積極的に行っています。

 

特色

胃外科では胃癌ガイドラインに従い、開腹D2手術を基本としていますが、早期癌症例には腹腔鏡下の胃切除を積極的に行っています。一方で高度進行胃癌に対しては新規抗癌剤を用いた術前化学療法を加えることにより、予後改善を図っています。 大腸外科では腹腔鏡下の大腸切除がほとんどとなり、低侵襲手術に移行しています。大腸癌の化学療法は欧米と同様な標準治療が可能になっており、データに基づく最先端医療を提供しています。肝臓外科では、原発性、転移性を問わず、安全面に留意して積極的に肝切除を施行しており、近年は適応のある病変に対しては低侵襲な腹腔鏡下の肝切除術も取り入れています。膵臓手術は年間30例で、高度に進行した癌の手術も術前治療を加えた上で積極的に行っています。昨年度は肝胆膵外科の高難度手術は40例となりました。腹腔鏡下の鼠経ヘルニア、瘢痕ヘルニアの根治術も積極的に導入しています。当科では多くの臨床試験や治験に携わっており、新しい治療法の開発を進めるとともに、学会活動や講演会などで標準治療や新規治療の普及に努めています。

 

臨床実績

2020年

手術内容 件数 うち鏡視下手術
虫垂炎 48 34
ヘルニア 110 64
痔疾手術 14 0
良性胆道疾患 119 103
イレウス 32 13
食道切除 2 0
胃切除 47 23
結腸切除 103 74
直腸切除 67 57
大腸切除 0 0
乳癌手術 161 0
内分泌外科手術 6 0
膵頭十二指腸切除術 20 0
膵体尾部切除 5 0
肝切除 24 5
胆道再建に伴う肝切除 0 0
その他緊急手術 42 13
いずれにも該当しない手術 56 17