リハビリテーション科の概要

リハビリテーション科では病気や怪我などで障害を負った方々や入院中に呼吸機能低下や四肢筋力低下等の合併症が懸念される方々のために、医師の指示のもとできるだけ早期より身体機能や病態に合わせたリハビリテーションを行い、それぞれの患者さんの生活に必要な動作や機能獲得の包括的な支援をさせていただきます。治療は次の3つの分野に分けて行われます。

 理学療法:主に機能改善や歩行練習
 作業療法:主に上肢機能訓練、日常生活動作練習
 言語聴覚療法:言語機能、摂食・嚥下機能、高次脳機能の評価・訓練

当院リハビリテーション科を受診されている患者さんは、神経疾患(脳梗塞、脳出血など)、整形疾患(大腿骨頸部骨折、人工関節など)、内部疾患(肺炎、呼吸不全、心不全、心筋梗塞など)を患っておられる方が多く、手術、薬物療法と合わせて廃用症候群の予防、早期離床、早期退院を目指しリハビリテーションを提供させていただいています。また、継続したリハビリテーションが必要な患者さんには回復期リハビリテーション病院等へ円滑に移行できるように、脳卒中や大腿骨頸部骨折において地域医療施設との連携を密にしています。また、治療・訓練以外にも栄養サポートチーム(NST)、呼吸サポートチーム(RST)、褥創回診、緩和ケアなど、チーム医療へも積極的に参加しています。

 

特色

急性期リハビリテーションの充実
 ― 病棟チーム型リハビリテーションと専門性の向上 ―

当院では、急性期医療の一環として2018年度より病棟チーム型リハビリテーションを導入しており、救命救急センター、脳神経内科病棟、脳神経外科病棟、整形外科病棟、心臓血管センター、他科に専任の療法士・聴覚士を配属し、現在、理学療法士(PT)24名、作業療法士(OT)11名、言語聴覚士(ST)14名、リハビリ助手1名の50名の体制で、チーム医療を担っています。
2022年度は病棟チーム型リハビリテーションを推進するとともに、各療法における専門性の向上を図ることを目標に、救急救命センターでの早期離床チームの導入、土曜診療の実施など、リハビリテーションの充実・質の向上、チーム医療の推進、在院日数の短縮などを図りながら、患者さんに満足していただける医療が提供できるよう努力してまいります。

 

臨床実績

2022年度実績

1.新患依頼件数
2022年度の新患依頼件数は、1日平均PT:20.8、OT:8.9、ST:10.5、三部門合計40.0件だった。(表1)

クリックすると拡大します図1:新患依頼件数
 表1:新患依頼件数

2.診療単位数及び診療点数
前年に比し外来・入院は減少、全体として前年度比単位数99.3%、診療点数99.8%であった。PTは単位数/診療点数とも前年を上回り、OTは下回った、STは単位数/診療点数とも上回った。(表2)

表2:入外・部門別の診療単位数および診療点
(外来・入院) 外来 入院 入外合計 (療法別内訳) 理学療法 作業療法 言語聴覚療法
診療単位数 414 132,113 132,527 診療単位数 68,576 29,820 34,238
前年度比(%) 50.8 99.6 99.3 前年度比(%) 100.8 93.5 101.7
診療点数
(千点)
104 34,631 34,735 診療点数
(千点)
17,700 7,926 9,111
前年度比(%) 52.9 100.0 99.8 前年度比(%) 101.5 95.3 100.6

3.依頼診療科別単位数及び部門別診療科割合
総合内科、他科、耳鼻科、循環器内科、小児科、外科、脳神経外科の順に前年より減少、その他内科、整形外科、呼吸器内科、神経内科では増加した(表3)。

表3:診療科別診療単位                          
科別単位数 前年度比(%)
整形外科 12,586 106.5
脳神経内科 31,666 110.6
脳神経外科 20,437 95.4
外科 9,435 88.0
呼吸器内科 11,599 110.1
循環器内科 7,268 83.5
総合内科 2,168 50.3
その他内科 32,519 104.1
耳鼻咽喉科 469 72.3
歯科口腔外科 0 0.0
小児科 2,249 84.0
他科※ 2,534 70.4
※他科:皮膚科、泌尿器科等

クリックすると拡大します図2:各部門別の診療科割合
図1:各部門別の診療科割合

 

 

4.聴力検査の実績
言語聴覚士が耳鼻科での業務として行っている聴力検査の2022年度件数は1,890件、総点数は658,490点(前年度件数:1,531件、総点数:529,740点)となった。
聴覚検査の内容としては、自覚的聴力検査(標準純音聴力検査等)、他覚的聴力検査(チンパノメトリー、耳小骨筋反射検査等)、脳誘発電位検査(脳幹反応聴力検査等)があげられる。

 

院内活動への参加など

2018年度より病棟チーム型配属となり、脳神経内科・脳神経外科・整形外科・循環器・救命救急センター・他科の包括的な診療の充実を目指しています。また、病院の研修として、BLS研修等に参加したり、毎週科内での症例検討・勉強会を実施するなど、幅広い知識が獲得できるように取り組んでいます。また、災害訓練、金シャチフェスタ、キャンサーフィットネスといった院内行事などにも積極的に参加しています(2022年度は新型コロナ対策の為、延期・中止あり)。