乳腺外科の概要

当科では乳腺指導医資格を有する乳腺専門医が中心となって診断・手術・薬物療法を行こっています。当院はがん診療拠点病院であり手術はもちろん緩和医療・病診連携による在宅療法を行っています。乳がんの年間登録数は約180例ありそのうち手術件数は約140例です。クリニカルパスの実施率はほぼ99%で在院日数は5-10日となっています。再発予防のための術後補助化学療法は腫瘍内科と協同して対応しています。再発乳癌に対しても積極的に抗癌際治療を行えるよう緩和医療チーム・薬剤師・化学療法専門看護師等と協力して患者さんをサポートしています。

 

特色

診断においては乳腺画像診断専門医資格を有する乳腺専門医が放射線診断部と協力し検診要精査症例および自覚症状を有する初診症例すべてにマンモグラフィ・乳腺超音波検査を施行し、必要あれば穿刺吸引細胞診・乳腺腫瘍画像ガイド下吸引式組織生検などを行い診断しています。手術においては独自に開発したポリゴン法により乳腺温存術の全方位切除断端を乳腺専門医でもある病理診断医が診断し、がん陰性であれば原則照射は施行していません。また、センチネルリンパ節生検は敢えてRI法ではなくICG蛍光法を採用しておりRIによる被爆の心配がなく色素法よりも確実性の高い方法で行っています。どちらも患者さんへの負担を減らす患者さんに優しい方法と言えます。臨床試験にも積極的に参加しておりJCOG, JBCRGなど多施設共同試験に多数登録しています。再発症例に対しては抗がん剤治療および緩和医療の提供など他職種とチーム医療で対応しています。また症例登録保管も精密に行っており当院乳癌症例は6500例に達しました。

 

臨床実績

診断(件数)

  2020年 2021年 2022年 2023年
マンモグラフィ 2,234 2,255 2,301 2,277
乳腺超音波検査 2,340 2,349 2,493 2,453
乳腺穿刺吸引細胞診検査 190 131 139 88
乳腺腫瘍画像ガイド下吸引式針生検 17 37 53 35

手術(件数)

  2020年 2021年 2022年 2023年
乳癌手術 168 143 152 136
  全摘術 120 93 90 106
  温存術 34 37 55 27
  その他 14 13 7 3
乳腺良性手術 8 15 19 9