眼科の概要

 当科は、網膜硝子体疾患、涙道、眼窩腫瘍など難治性眼科疾患の治療を行う東海地区の基幹病院です。眼窩疾患(涙道、腫瘍、外傷)、眼形成疾患、眼・眼窩腫瘍は、県内はもちろん、他県からも紹介が多く、精力的に診断、治療を行っています。水晶体、網膜硝子体疾患では、小切開による手術法を導入することで創部を縫合する必要がなくなり、手術時間を短縮し、より侵襲の低い手術を行っています。緑内障など他の疾患の手術件数も多く、昨年度の総手術件数は1700例を超えておりましたが、最も一般的な内眼手術である白内障の昨年度の手術件数は約550例でした。加齢黄斑変性症、糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症等の難治性疾患に対しては、眼内に血管内皮増殖因子阻害剤を注射する方法で良い成績をあげています。

【内眼疾患】
  • ドライアイなどにより角膜炎に対する薬物療法(含血清点眼)、涙点閉鎖術。
  • 白内障手術では、小切開とともに乱視矯正用眼内レンズも導入。日帰り手術にも対応。
  • 黄斑疾患(黄斑前膜、黄斑円孔、黄斑浮腫等)や網膜剥離等に対する小切開手術硝子体手術(25G)の導入。より低侵襲の手術が可能。糖尿病網膜症では、内分泌科医師との連携により糖尿病コントール後に手術を施行。
  • 網膜静脈閉塞症に対する薬物療法、難治症例には硝子体手術を施行。
  • 加齢黄斑変性症に対する血管内皮細胞増殖因子阻害剤の硝子体注射。
  • 緑内障の薬物療法、レーザー治療(選択的レーザー隅角形成術、YAGレーザーによる 網様体光凝固)。進行例には、手術療法(濾過手術、流出路再建術)。
【外眼疾患】
  • 涙道閉塞性疾患に対する涙道内視鏡下、シリコンチューブ挿入術。難治例には鼻内視鏡による涙嚢鼻腔吻合術鼻内法の施行。高度涙小管閉塞には結膜から鼻腔へ新涙道再建。
  • 先天性・後天性眼瞼下垂に対する眼瞼手術(挙筋短縮術、吊り上げ法)。
  • 眼瞼・眼窩腫瘍に対する根治的手術、薬物療法。
  • 眼窩底骨折等の外傷には、手術療法で迅速に対応。
  • 小児の眼窩・眼瞼腫瘍に対する内科的治療。小児腫瘍専門医と連携。小児の悪性腫瘍である網膜芽細胞腫には化学療法、温熱療法を併用した眼球温存療法を導入。

特色

 当科は、眼科専門医を育成するプログラム施設に認定されており、9名の眼科専門医のもと、内眼疾患、外眼疾患の幅広い分野の疾患に対応しております。特に涙道、腫瘍、外傷、眼形成疾患、眼・眼窩腫瘍等の眼窩疾患に対する治療では、県内屈指の施設であるとともに全国的にも扱う症例数は上位を占めています。内眼疾患に対しても、多くの疾患を治療対象とし、できる限りの先端機器、先端治療を導入し、日々、先駆的医療を模索しながら最良の方法が見つかるよう努力しております。

連携医療機関へのメッセージ

 目に関してお困りの方がおりましたら、いつでもご相談下さい。毎日、眼科待機当番医が控えております。眼科手術の必要な方で、全身状態の思わしくない方は、当院で入院の上、内科、麻酔科との協力のもと、手術療法を含め、できる限りの治療を行っておりますので遠慮なくご紹介下さい。


臨床実績

手術件数

  • 2021年10月~2022年9月
  • 1478

詳細

手術 2021年10月~2022年9月
硝子体手術 75
白内障手術 510
緑内障手術 60
涙管チューブ挿入術 203
涙道手術 83
眼瞼下垂、斜視、その他 203
眼部の腫瘍病変の手術 2021年10月~2022年9月
眼窩腫瘍摘出術 68
眼瞼および結膜腫瘍手術 267
眼球摘出術 9
眼部領域腫瘍性疾患および眼窩炎症性疾患 過去15年間の診療実績
眼窩偽腫瘍性病変 441
手術を施行した眼窩良性腫瘍 140
眼窩悪性リンパ腫 242
眼窩悪性腫瘍 30
乳児小児の眼部領域腫瘍性疾患 104
眼瞼結膜悪性腫瘍 240
網膜芽細胞腫 70
眼内悪性黒色腫 47

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医療関係者の方へ

入局案内

名古屋医療センター眼科の見学・入局説明会のご案内
当院での研修希望者を対象とした、見学・入局説明会を随時開催します。
研修を検討されている方は、見学・説明会への参加をお勧めしております。
見学希望や御質問のある方は、病院事務、または、眼科医局までご連絡ください。

眼科専門医取得プログラム案内
名古屋医療センターの専門医取得プログラム
当院は日本眼科学会が定める眼科研修プログラム施行施設(基幹研修施設)に承認されており、
当院のみの研修で眼科専門医を取得することができます

対象者
初期臨床研修後に眼科専門医取得を目指す医師
専門医取得を目指す眼科医師
他科からの転科を検討しており眼科専門医取得を目指す医師

女性医師の環境
出産や育児をしながら、専門医取得し、勤務することも可能です。
家庭や子供を持った女性医師が働きやすい環境となっております。

少しでも御興味がある方や、御質問のある方は、お気軽にご連絡・ご相談下さい。

 

医局連絡先

国立病院機構 名古屋医療センター 眼科医局
医長 廣瀬浩士 e-mail: hirose.hiroshi.pv@mail.hosp.go.jp
〒461-0001 愛知県名古屋市中区三の丸4-1-1
電話: 052-951-1111(代表)
FAX: 052-951-0664(代表)