医療安全管理部

 医療は受けられる患者さんのものです。ですが、病気になり病院にかかると痛いことや辛いことがたくさんあります。そんな思いはぜひ身近な職員に伝えてください。病院の職員は患者さんと一緒に病気と闘う仲間です。その治療を行うとどのような効果があり、また行う上でどのようなリスクがあるかを知っていて、それを考えながら診療を行っています。患者さんがどう思い、どう感じているかは治療を計画していくうえで重要ですので、医療に積極的に参加してください。

 病院で提供する医療の中には非常にリスクの高い検査・治療や、生死をかけて行わなければならない治療もあります。病院のシステムは完ぺきではなく、日々大小のトラブルが起こっています。医療安全管理部は病院職員から起こった事象についての報告を受けています。今日より明日によりよい安全な医療が提供できるよう、病院全体で検討する体制を構築しています。


概要

 患者安全を推進し、安全で質の高い医療が提供できるよう、組織横断的に院内の安全管理を担っています。医師、看護師をはじめ多職種で部門が構成されています。
国立病院機構の本部とも連携し、安全対策を現場で推進しています。


業務紹介

  • 医療安全カンファレンス
    毎週1回院内からの報告の中から抽出された事例について、安全管理部および関係職員で背景や原因を検討します。影響の大きい事例に関しては、医療安全管理委員会などでさらに検討します。

  • 医療安全管理委員会
    院内で発生した事例の分析及び再発防止策案を検討し、病院としての改善策の方向性を決定します。実施された改善策の有効性も検討します。職員に対しての医療安全管理のための啓発、教育等の方法も検討しています。

  • 医療安全管理研修
    年2回全職員に向けて、医療安全管理研修を行っています。
    令和5年度実績
    「病院における患者安全の基本」
    「病院組織における心理的安全性の実践」

  • リスクマネジメント部会、医療安全看護推進担当者会
    各部門には医療安全管理の推進に資するために、医療安全推進担当者がいます。医療安全推進担当者が集まり、院内での医療安全に関する情報を共有し、事例について検討します。

  • M&M(Morbidity(合併症)& Mortality(死亡))カンファレンス
    医療の質改善のために、システム思考(systems thinking)で、複雑な医療システム過程の共通理解、有害事象症例の再発防止策、うまくいったことの振り返りを実施し、システムの改善策を検討し、職員への教育ます。

  • 医療安全問題検討委員会
    患者さんに影響のあった事例のうち、迅速に病院の判断が必要な事案に関することを審議します。

  • 高難度新規医療技術評価委員会、未承認新規医薬品等評価委員会
    院内で実施したことのない医療技術や、使用したことのない医薬品、高度管理医療機器に関する評価を行います。

  • 国立病院機構内の相互チェック
    国立病院機構の各病院における医療安全対策の現状について、病院間で意見交換及び評価を実施し、医療安全対策の標準や質の向上を図ることを目的に実施しています。

  • 医療安全対策地域連携加算に基づく連携施設との相互チェック
    近隣病院と連携し、医療安全対策の実施状況や具体的な対策、医療安全に資する情報の職員への周知等をお互いに評価し、その内容を報告します。

  • 対外的な安全施策の共有と研究
    国内外の学会における評議員等も務め、国内や世界の動向を共有し、院内の検討にも生かしています。医療安全に関する研究も実施しています。