原発不明がん
原発不明がんの診断そのものは難しく、造影CTと内視鏡検査で原発巣が不明な場合、生検・病理検査含めて腫瘍内科で診療計画をたてることをおすすめしています。その上で、複数の診療科による診察と各種精密検査で原発巣(最初にがんが生じた場所)が不明な場合、原発不明がんと診断します。実際の治療は病理診断や放射線診断、年齢や性別、病変の部位,腫瘍マーカーを参考に治療薬を決定しています。原発不明がんでは従来、カルボプラチン+パクリタキセル療法を使用することが一般的でしたが、2021年に原発不明がんに対して免疫チェックポイント阻害薬(ニボルマブ/オプジーボ®)が使用可能となり、従来の抗がん剤治療に加えて免疫療法の選択肢が加わりました。更に、特定のがんに近い性質を持っている場合は、その性質の近いがんに合わせた治療法を行うこともございます。また診断の初期から遺伝子パネル検査を積極的に行い、原発巣の推定や分子標的療法の可能性を検討し治療に役立てています。