生化学・免疫血清検査

 

概要

 患者さんから採取された血液、尿などを検査しています。多くは自動分析装置を利用しますが、得られたデータは臨床検査技師が逐一確認したうえで医師に報告します。また、より緊急性の高い生命が危ぶまれる異常値(パニック値)は臨床検査技師から医師へ直接電話し、早期の治療および処置に役立てられます。代表的な検査項目として、低血糖や高カリウム血症などがあります。

 採血手技や分析装置の誤作動による検査データのエラーをチェックするなど、必要に応じて再検査を行うことがあります。再検査の際には時間を要する場合がございますのでご了承ください。
年間の検査実施件数は、生化学140,000件、ホルモン10,000件、腫瘍マーカー10,000件、感染症12,000件、糖尿病(HbA1c)36,000件です。

 

生化学自動分析装置

検査所要時間の目安:30~60分

写真 生化学自動分析装置写真 生化学自動分析装置

代表的な検査項目

項目名 主な目的
TP、ALB 栄養の指標、全身状態の把握
AST、ALT、LD γGTP、ALP 肝機能の状態をあらわす
CK、CK-MB 心臓、骨格筋に多く存在
AMY 膵臓、唾液腺の状態をあらわす
BUN、CRE、UA 腎機能、痛風の指標
GLU 糖尿病の指標
CRP 炎症、細菌・真菌・ウイルス感染
Fe、FER 貧血などの指標
IgG、IgA、IgM、RF 膠原病、血液疾患、リウマチの指標
TP抗体、RPR 梅毒感染症

 

免疫発光測定装置

測定原理:化学発光免疫測定法(CLIA法)
検査所要時間の目安:30~90分

写真 免疫発光測定装置

代表的な検査項目

項目名 主な目的
TSH、FT3、FT4 甲状腺の指標
PRL 性ホルモン
CA19-9、CA125、CA15-3、CEA、AFP、PSA 膵臓、肝臓、肺、前立腺、卵巣、乳がんなど腫瘍マーカー
HBs抗体、HBs抗原、HBc抗体、HCV抗体、HIV抗体、HTLV1抗体、PCT 感染症マーカー
BNP、TnI 心不全マーカー
ジゴキシン、シクロスポリン、タクロリムス、バルプロ酸、バンコマイシン、フェノバルビタール、メトトレキサート、フェニトイン、カルバマゼピン 抗てんかん薬、ステロイド、免疫抑制剤などの薬物血中濃度

 

免疫蛍光分析装置

測定原理:蛍光酵素免疫測定法 (FEIA法)
検査所要時間の目安:30~60分

写真 免疫蛍光分析装置

代表的な検査項目

項目名 主な目的
インスリン、C-ペプチド 糖尿病などの糖代謝
GH、CORT、HCG、 内分泌ホルモン
TRAb TSHレセプター抗体