脳神経外科の概要
当科は、脳卒中、頭部外傷などの急性期疾患から、脊椎・脊髄疾患、てんかんやパーキンソン病などの慢性期疾患まで、全国トップレベルの治療を提供しています。救急疾患も精力的に受け入れており、コロナ禍の影響もありましたが、常に50名以上の患者が入院、手術を含む治療を受けております。
医療スタッフも、常勤の脳神経外科専門医が7名、脳神経外科専攻医が1名、非常勤医師3名と充実、年間手術件数はおよそ500~700件と安定的に推移しています。悪性もしくは良性の脳腫瘍、脳動脈瘤や頸動脈疾患、急性期脳卒中、変性や外傷及び腫瘍を含む脊髄疾患、そして機能的疾患と言われるてんかんや振戦、パーキンソン病、といった広い分野で、それぞれの専門医を擁しており、高度、かつ安全な手術治療を行っております。
ICUや脳外科病棟では、それぞれの疾患に精通した看護師、リハビリスタッフ、薬剤師、その他たくさんのコメディカルが常駐しており、患者さんが治療に専念し、安心して入院生活を過ごせるように努めております。
特色
当院脳神経外科の特徴は、脳腫瘍、脳血管障害、脊髄外科、また機能外科それぞれに専門医(認定医)がいる事にあります。
脳腫瘍に対しては、手術や放射線、化学療法からなる高度な集学的治療を、名古屋大学病院とも連携して実施。脳卒中に関しては、一次脳卒中センター(PSCコア)に指定され、脳梗塞に対する血栓回収、破裂脳動脈瘤に対する塞栓術等に毎日24時間対応しております。また、脊髄外科に関しては、転落や交通事故による脊髄外傷が数多く救急搬送され、多くの手術を行っているほか、各地からも脊髄変性疾患や脊髄腫瘍など難症例を紹介され、良好な手術成績をおさめています。
クッシング病、先端巨大症、TSH産生下垂体腫瘍など間脳下垂体疾患については、安全かつ良好な手術成績を維持し続けています。また、機能的脳外科分野の専門家を擁しており、名古屋大学病院との強い連携体制のもと、パーキンソン病やてんかんに対する高度な外科治療を実施しております。
最先端の治療設備として、最新の手術顕微鏡とナビゲーション装置を今年度導入。電気生理学的モニタリングや術中画像装置なども充実しており、それぞれの領域の治療成績の向上に役立っております。また国立病院機構は、国が定める研究施設でもあります。当科では厚生労働省より依頼される共同研究、文部科学省の基盤研究、臨床研究センターにおける基礎や臨床研究など、数多く行っています。この様なアカデミックな活動を平行して進めつつ、日々の臨床を堅実に実施しております。